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【現役小児歯科医がおすすめ】歯磨きの大切さを教える子供のための読み聞かせ絵本9選

ウチの子供は絶対に虫歯にさせないぞ!そう心に決めている親御さんがほとんどだと思います。
虫歯予防には、節度ある甘味摂取、フッ素による予防、そして丁寧なブラッシングの3つの柱があります。

この中で、語るは易く行うは難いのがブラッシング。本稿では、この最難関にして最も効果的な歯磨きを、いかにしてお子さんに導入するかを語っていきます。また併せてお子様が歯磨きに慣れるために最適な読み聞かせ絵本をご紹介します。

1. 小さな子供は、なぜ歯磨きを嫌がるのか

赤ちゃんは、生後6カ月くらいから歯が生えてきます。

まず下の前歯、そして上の前歯とほぼ上下が交互に生えてくるのですが、さあ歯磨きだ!と張り切っちゃうママ、あわてちゃあいけません。

生まれてすぐの赤ちゃんは、おっぱいを求めて口の中に入れたものに吸いつこうとします(哺乳反射)が、歯が生え始める頃になると、この行動が見られなくなり、口に何かを入れられると反射的に顔を背けたり、舌で押し出そうとする場合があります。

特に歯ブラシのような無味無臭の物体は、赤ちゃんにとっては異物でしかありません。また歯肉も敏感ですので、ブラシ毛で不用意に歯肉を刺激してしまったらもうアウト。

さらに、3歳までは虫歯のなんたるか、虫歯になるとどんな目に遇うのかがわかっていません。

情緒の持続が短い、いわゆる飽きっぽい、楽しいことにしか興味を示さない、お腹がいっぱいで眠い、ママが強引に身体を押さえつけてくる、歯磨きを嫌がると怒られる、等の理由が歯磨き嫌いにさせる理由に挙げられると思います。

2. こんなやり方ではダメ!間違った歯磨きの実例

まず申し上げたいのは歯磨きを嫌いにさせてはいけない!ということ。詳しくは別項『ママ必見!もう迷わない 子供用歯ブラシの選び方』に譲りますが、押さえつけたり、怒りながら歯磨きをするのは絶対にやってはいけません。

とにかく楽しみながら、遊びながら、徐々に歯ブラシに慣れさせていき⇒仕上げ磨きをさせてもらえるようになり⇒自分できちんと磨けるようになる、というのが理想のシナリオです。

この間、実に7年あまり。とにかくお子さんの生長に合わせて焦らない、慌てない、よそのお子さんと比較しないのが肝要です。

では磨くタイミングですが、一時期「食後30分以上空けてから歯を磨くほうが良い」という考え方が、とあるテレビの健康番組で報じられました。

しかし精査してみますと、かなり特殊な条件下でのことですので、皆さんのお子さんには当てはまらないことを明言しておきます。

食べ物が歯に付着した瞬間から細菌による糖類の分解が始まり、歯を溶かす乳酸が作られていきますので、食後できる限り早い段階での歯磨きをお勧めいたします(注1)。参考までに、日本小児歯科学会の提言をご覧ください。

注1) http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index09.html

次いで磨く回数。これも絶対ではないので柔軟に対応していただきたいのですが、毎食後3回が理想であることは申すまでもありません。

しかしながら、朝食後の短い時間でパパの出勤の支度、年長の兄弟を学校へ送り出し、保育園バスの到着時刻を気にしながら慌ててお弁当作り。

さらには寝坊した、ダブルインカムだともなれば、お子さんの歯磨きの優先順位は限りなく下位に沈んでいく……。

余裕があればぜひ朝も丁寧に磨いていただきたいのですが、なかなか難しいところでしょう。

また、保育園・幼稚園での昼食後の歯磨きはお子さん自身の手によるものでしょうから、完璧さは望むべくもありません。現実的に考えるのなら、夕食後にしっかり磨き、その後は飲食をさせないというのがベターでしょう。

虫歯に関係する細菌は、食事と食事の間に増加します。この“食事と食事の間”が最も長いのが夕食から朝食の間、つまり就寝時です。さらには眠っている時には唾液の分泌が減少しますので、唾液による洗い流し効果も期待できません。

という理由から、どんなに忙しくても、せめて夕食後には確実に磨いてあげていただきたいものです。

3. 年齢に合わせた歯磨き方法

3-1. 0~3歳児

生後6カ月くらいから歯が生え始め、3歳前後にすべての乳歯20本が生えそろいます。乳歯の虫歯は2~3歳の間にでき始めると言われており、甘味摂取の工夫、フッ素による予防に加えて、歯磨きが重要であることは言うまでもありません。

が、前述のとおり、この時期のお子さんにきちんと歯磨きを行うのは困難を極めます。理由は、歯ブラシが嫌いだから

1歳半くらいまでは、まだ虫歯の原因となるミュータンス菌に感染していないか、菌の活動性が低いので、必ずしも歯ブラシを使う必要はありません。ガーゼやティッシュペーパーなどで汚れを拭ってあげるとよいでしょう。

しかし、年齢とともに虫歯になるリスクが高まっていくのですから、歯ブラシを口の中に入れて慣れさせていってください。

2歳くらいまでには最初の奥歯である第一乳臼歯(D)が生えてきますので、奥歯が生えてきたら歯ブラシを使った仕上げ磨きは必須です。

仕上げ磨きのやり方ですが、まずお母さんはあぐらをかいて、組んだ脚の間にお子さんの頭部を横たえます。この時、つい真剣に磨こうとして深刻な表情になりがちですが、決して笑顔を絶やさぬよう、優しく励ましながらするのがポイントです。

そして、上手に磨かせてもらったら、うんと褒めてあげること。お子さんは褒められたことは何度でもやろうと思いますし、逆に叱られたことは二度とやるものかと思ってしまいますよね。だから歯磨きでは怒ってはいけないのです。

3-2. 3歳~小学校入学まで

3歳になると、自我が芽生えて第一反抗期を迎えます。仕上げ磨きしてあげようとすると「自分でやる!」と主張して、させてくれないかもしれません。

今まで従順だったわが子の豹変ぶりにカチンときたり戸惑ったりすると思いますが、そこは愛情で包み込んでください。

そしてそんな時は、虫歯になるとどういう事態が待っているのか、ゆっくりお話ししてあげると良いでしょう。

本稿で紹介する読み聞かせ絵本は、まさにこのタイミングで活用すると効果的です

3歳以上になると日本語の理解力が高まっていますので、大人のあざとさと言えばそれまでですが、因果応報の作戦をお勧めいたします。

仕上げ磨きは、最初のうちは寝転んで磨いても、徐々に立ち磨きに慣れさせていってください。園の年中~年長さんが自分で磨く時には、寝転がってはいないはずですから。

3-3. 学童期

6~7歳くらいになると、永久歯の奥歯である6歳臼歯(第一大臼歯)が生えてきます。

これからの人生でかみ合わせの中核になる歯であると同時に、一番奥に生えているために磨きにくく、すべての歯のうちで最も虫歯罹患率が高いとされています。

よって学童期以後は、より徹底したブラッシングが必要になってきます。

小学生ともなれば、自己管理も身に付けなければいけません。小学校に入学しましたら、そろそろ自分磨きを徹底させてください。

コツは、うんと褒めて自尊心をくすぐること。そして歯ブラシはグーで握るのではなく、えんぴつ持ちにすることです。

握り方を工夫するだけで、肩から歯ブラシを大雑把に動かしていたのが、手首や指先の筋肉を使ったより繊細な動きが可能になり、永久歯と乳歯が混在した複雑な口腔内を磨けるようになっていきます。

それが可能な身体能力が整う年齢ですので、お母さん磨きから自分磨きへの移行は、小学校中学年を目標と考えてください。

4. おすすめ読み聞かせ絵本

4-1.『がんばれ はぶらしハーマン』きむらゆういち しかけ絵本



作:きむらゆういち 絵:田中四朗 定価:1,000円(税別)偕成社

もう30年以上も前に出版されたにもかかわらず、いまだに版を重ねる読み聞かせ絵本の名著。わたくしの診療所待合室にも置いてあり、ボロボロになるたびに新品を購入しています。

きちんと磨いた子、磨かないで不摂生を重ねていた子の対比がコミカルに描かれています。

歯ブラシをヒーローになぞらえたり、よくある虫歯菌のイメージではなくムッシーという怪獣にしているのも斬新で、とても30年以上も前に上梓された絵本とは思えません。

子供さんが、思わずページをめくりたくなるような仕掛けが随所に施してあるのも人気の秘密でしょうね。3~5歳くらいのお子さんにお勧めの1冊です。

4-2.『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』


作:くぼまちこ 定価:1,000円(税別)アリス館

歯磨き絵本としてスマッシュヒットを飛ばした作品です。
歯ブラシを列車に見立てて、いつの間にかお子さんのお口の中をグルッと磨けそうなイメージで描かれていて、歯磨きの導入にはもってこいです。

特筆すべきは、バイ菌や痛みといった虫歯につきまとうネガな印象のものはいっさい登場しないこと。「虫歯になったら痛いよ」「恐いよ」ではなく、「楽しく歯磨きをして、お口の中をきれいにしちゃいましょう」というコンセプトです。

とにかく絵が優しくて素敵!
2~5歳くらいのお子さんにお勧め。

4-3.『アンパンマンとムシバラス』

作:やなせたかし 定価:1,000円(税別)フレーベル館

この絵本も30年以上前に上梓され、いまだに版を重ねるロングセラーです。

ご存じアンパンマン、バイキンマン、はみがきまんといったおなじみのキャラクターに加え、歯ブラシメーカーのライオン歯科材が生み出した憎めない悪役キャラ、ムシバラスが入り乱れての物語を展開します。

大型本ですので読み聞かせもできますが、お子さんが自分で繰り返し読むのに適していると考えます。「虫歯は恐いものだよ~」という性格付けをソフトにサラリとこなしているところに好感が持てます。

アンパンマン好きにはもちろん、ひらがなが読めるお子さんにお勧め。

4-4.『わにさん どきっ はいしゃさん どきっ』


作:五味太郎 定価:1,000円(税別)偕成社

歯ブラシ、歯磨きは一切登場しない異色の絵本。
いきなり、わにさんが一大決心をして、おっかなびっくり歯医者を受診するところから始まります。

わにさんも歯医者さんも互いに怖がっていて、予想外な展開になるのが面白い。

わにさんと歯医者さんの関係を、治療が怖くて泣き叫んで暴れているお子さんと、子供の治療で苦労する歯科医に見立てることができます。

歯医者を受診したことがあり、大暴れした経験のあるお子さんに読み聞かせるのにとても良い絵本です。

「歯医者さんも本当は痛いことはしたくないんだ、だから泣いたり暴れたりしないでねっ」という具合にオチをつけ、紙芝居のように読み聞かせてあげてください。

2~4歳くらいのお子さんにお勧め。

4-5.『むしばいっかの おひっこし』


作:にしもとやすこ 定価:1,400(税別)講談社

虫歯ができる過程をかなり突っ込んで、それでいてお子さんにもわかりやすく、虫歯菌たちを1つのファミリーとして描いています。

いかにして虫歯菌ご一家にいい思いをさせないか、いかにしてお口の中から追い出すかがコミカルに、そしてドラマチックに語られます。

虫歯予防のための知識は大人が読むのにも耐えうる内容ですので、読み聞かせだけでなく、ひとり読みにもどうぞ。

読み聞かせなら3歳から、ひとり読みでしたら6歳以上にお勧めします。

4-6.『やさしいからだのえほん4 むしばは どうして できるの?』


 

作:小野芳明 絵:せべまさゆき 定価:1,200(税別)金の星社

虫歯のでき方、ブラッシング方法がかなり詳しく解説されています。

虫歯菌はゴブリンやバイキンマンみたいな黒いヤリを持った悪魔的スタイルで描かれ、恐怖心をあおっています。「虫歯は痛い」とあからさまに描いた絵本の筆頭でしょうか。

その分、情報量も豊富で、親子で虫歯予防の知識が学べる1冊です。

読み聞かせなら3歳以上、ひとり読みならば6歳以上。
特に、自分磨きを覚え始めたお子さんにはお勧めです。

4-7.『もぐらのもぐとめぐ/歯ブラシちょうじゃ』


作:おかだなおはる 定価:1,600円(税別)クインテッセンス出版株式会社

1冊に2つのお話が収められた、なんだか得した気がする絵本。

前段の『もぐらのもぐとめぐ』は、この手の絵本にありがちな因果応報のストーリーで、不摂生を重ねたモグラの「もぐちゃん」が、冬眠中にクマの歯医者を受診せざるを得なくなるという脅しの効いたものになっております。

でもハッピーエンドなので、「もぐちゃんのようにならないでね」とオチをつけてあげてください。

後段の『歯ブラシちょうじゃ』は、「まんじゅうを食べたら歯を磨こう」という戒めをベースに、主人公が自作した歯ブラシを世の中に広めることで大儲けしたというストーリーです。

前段が因果応報の結果として招来される損ならば、後段が得として描かれており、2つのお話を合わせたら表裏一体、よく練られた企画だと思います。

3~6歳にお勧め。

4-8.『歯いしゃのチュー先生』


作:ウィリアム・スタイグ 訳:内海まお 定価:1,400円(税別)評論社

完全なメルヘンで、歯ブラシや歯磨きのことは描かれておりません。
中段からはややホラーな展開ですが、結末はファンタージなオチがつきますのでご安心を。

実際の治療に近い様が、小さなネズミ夫婦の身体を借りて描かれています。

チュー先生は命の危険を顧みずに肉食動物であるキツネの治療に挑みますが、わたくしには、小さなネズミの身体が自分の指のように思えてハラハラしました。

また、挿絵が温かくて素晴らしい!大人にプレゼントしても喜ばれること請け合いの1冊。
5歳以上にお勧めします。もちろんメルヘン好きの大人にも。

4-9.『はははははいい 幼児期編 ― 母は歯はいい ―』


作:金田一剛 絵:佐藤豊彦 定価:3,000円(税別)クインテッセンス出版株式会社

この本に付属する帯に

やさしく学ぶ、歯のはなし。
この本はお母さんが先に読んでください。
歯医者さんの使う用語も多く出てきますが、咀嚼(そしゃく)して、お母さんのことばに置き換えて、お子さんに読み聞かせてください。

と書かれていますように、お母さんが目を通す詳しい説明書きは見開きの左ページに、お子さんが読んで、見て、感じるのは中央から右側のページに書かれています。

内容としては乳幼児期から学童期を網羅する詳しいものとなっており、特に仕上げ磨き、虫歯の成因、食育については他に類を見ない詳しい内容となっております。

3歳以上のお子さんへの読み聞かせにお勧めです。ひとり読みは考えないでください。

5. 併せて贈りたい「仕上げ磨き用 歯ブラシ」

歯磨き絵本を贈る際には、子供用の歯ブラシもセットでプレゼントする方が多いようです。むしろ歯ブラシを贈る際のおまけが絵本なのかもしれませんが。

そこでわたくしがお勧めする、お母さんが仕上げ磨きをするための子供用歯ブラシのうちから、特にお勧めの製品を紹介いたします。

詳しくは別稿『【現役小児歯科医が徹底解説!】子ども用歯ブラシの選び方』をご覧ください。
※全製品が歯科医院専売品となっていますが、ネット通販からも購入可能です。

5-1. Dr.Bee Mamma(ドクタービー マンマ)

4,800円 20本/箱(@240円/本) (税別) ビーブランドメディコーデンタル

仕上げ磨き用歯ブラシとしては定番中の定番にしてパイオニア的存在。シンプルなデザインながら、よく考えられた設計です。大人が握るハンドル、長いネック、うっかり強圧で磨いても歯肉を傷めにくい毛先のラウンド加工、そして柔らかめのブラシ。

耐久性にはやや劣る面がありますが、そこは仕上げ磨き用のベンチマーク製品、1度お使いになってみればその良さが理解できると思います。

ブラシが柔らかいため、“かため”や“ふつう”に比較して刷掃能力がやや劣りますので、優しく丁寧に磨いてあげる必要がありますが、これぞ仕上げ磨き用の神髄ともいえます。

適用年齢は0歳~6歳。乳歯列期にお使いください。わたくしの診療所では本製品をお勧めしています。

5-2. r-フィナーレ

3,000円 12本/箱(@250円/本)(税別)サンデンタル

0~6歳までが対象。名前が示すとおり完全に仕上げ磨き用ですので、まずお子さんに磨いてもらって、その後に仕上げるという使い方には向きません。

仕上げ磨き用としてはヘッドがやや大きいですが、ハンドルが仕上げ磨きに特化していて、大人には握りやすくできています。

ネックが長いので、お子さんの狭い口にの中でもコントロールしやすく、またブラシの先端を丸めた加工がしてありますので、歯肉を傷めにくくなっています。

ブラシの素材は最近よく採用されるようになったPBT樹脂で、繊維の腰が強く、植毛密度も高いので、しっかり磨けることが売りです。

PBT樹脂製のものとしては若干ブラシが硬いようですが、その分耐久力はあると考えられますので、歯ブラシをかんでしまうお子さんには有利でしょう。

ナイロン製歯ブラシと比較して、やや値が張るのはPBT樹脂製歯ブラシのお約束ですが、それは耐久力でペイするはずです。

ただしPBT樹脂の物性として、ひと月ほどで腰が砕けてきますので、耐久性の過信は禁物です。
1カ月以内での交換をお勧めいたします。

5-3. バトラーこども歯ブラシ#77


3,000円 12本/箱(@250円/本)(税別)サンスター バトラー

0~6歳までに使います。同シリーズはシンプルながら、ミッフィーちゃんをあしらったかわいいデザイン。ブラシは他社製品と比較して硬い方ですが、密度の高い植毛部により清掃能力は高いです。

仕上げ磨きに特化しているため、お子さんに握らせるには無理がありますが、逆に仕上げ磨きにはうってつけの長くて細めのネック、コンパクトなヘッドに好感が持てます。2週間をめどに交換してください。
前述のドクタービー マンマと並んで、わたしのお勧め製品です。

5-4. EX Kodomo Disney 14M

4,800円 20本/箱(@240円/本)(税別)ライオン歯科材

ディズニーキャラクターをあしらった子供用歯ブラシです。
仕上げ磨き用といっても、まずお子さんに磨いてもらい、次いで同じ歯ブラシで仕上げることになります。

握力が弱い子供さんに対応し、どんな握り方にも対応する丸くて太いハンドル、長めのネック、弱い力でもしっかり磨ける毛足が短いブラシが特徴……とはいえこれは各社製品に共通する特徴です。

選ぶ際にまず考慮してほしいのがヘッドの大きさ。EX Kodomo 14シリーズはヘッドが特に小さく、口腔内の容積が大きく育っていない乳歯列期の仕上げ磨きに特化した製品といえます。
数字の後ろ、「M」の表記はブラシの硬さを表しています。

メーカーとしてMはミディアムという意味なのでしょうが、小児用歯ブラシは毛足が短いので、ブラシの弾力は大人用と比較してより強くなります

したがいまして、大人用でいうところの「かため」が「M」だと考えてください。歯ブラシをかんでしまうお子さんが多いので、耐久力があるのは「M」、つまり「かため」です。

5-5. プロスペック歯ブラシプラス ミニS フォーレッスン

6,000円 20本/箱(@300円/本)(税込)ジーシー

各社製品の中でもヘッドが特に小さく、ハンドルは大人用です。ネックを長く設計していて、仕上げ磨き用に特化している製品です。

キャラクター付きのクリアハンドル、色分けされた植毛部などデザイン性に優れ、お子さんにはウケがよろしいでしょう。

「フォーレッスン」、つまり「4つの練習」という意味なのでしょう、本製品には歯磨きの指南書が付属しますので、それを参考に楽しく学んでください。

それぞれに色分けれた「つまさき」「かかと」という具合に、ヘッド部位を使い分けてのブラッシングになると思いますが、あまり気にしなくても良いと考えています。

可能でしたら、この製品を扱っている歯科医院で、歯科衛生士さんに実地指導してもらうといいでしょう。忙しいときにお願いするとじっくり時間を取ってもらうことが難しいので、事前にご相談なさることをお勧めいたします。

5-6. マミー17

5,000円 20本/箱(@250円/本)(税別)オーラルケア

0~6歳までが対象。仕上げ磨き用としてはヘッドがやや大きいですが、仕上げ用に設計されたハンドルが実に握りやすくできています。

ネックが長いのでお子さんの狭い口の中でもコントロールしやすく、ブラシの先端を丸めた加工がしてありますので歯肉を傷めにくくなっています。

それでも痛がるお子さん、歯磨きそのものが嫌いなお子さんには毛先が柔らかな「S」を、歯垢が付きやすいお子さん、しっかり磨きたい場合には「M」を選択するといいでしょう。

ブラシには通常ナイロンが使われることが多いのですが、本製品はPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)と申しまして、ペットボトルに使われる樹脂(PET:ポリエチレンテレフタレート)の親戚を採用しております。

ナイロンに比較して繊維の腰が強く、植毛密度も高いので、しっかり磨けることが売りになっています。

わたくしが使ってみた感想としては、強圧で雑に磨いても歯肉を傷める危険性が少なく、ナイロンと比較してブラシの耐久性も高いと感じました。

6. まとめ

とにかく乳幼児期および学童期にしっかり磨く、磨かせるのには骨が折れます。

しかし、幼い時期に歯ブラシに慣れていないと、ブラッシングそのものが身に付かず、将来にわたって歯医者で散財するなんてことにもなりかねません。

子供さんの歯磨きをたったひと言で申しますならば、とにかく楽しく磨くことに尽きます。できればご家族全員で同じ時間を共有し、一斉に磨くとなお良いでしょう。

その一環として動機付け絵本をご紹介してきたわけですが、どうか読み聞かせの際も、できればご家族でスキンシップを図りながら楽しんでください。親御さんにも、けっこう勉強になること請け合いです。

以上、笑顔が絶えないご家庭の構築に一役買えたなら幸いでございます。

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