クリスマスからバレンタイン、誕生日やパーティーの手土産までオールシーズン、子供からシニアまで世代を選ばずに喜んでもらえる“鉄板プレゼント”の代表格が、高級チョコレートとして名高い「ゴディバ」だ。
ゴディバはなぜ相手から喜ばれる? そもそもチョコレートはどんな歴史を経て私たちが日常的に親しむおやつやデザートになったの? 「チョコレートは体にいい」とよく聞くけれど、具体的に健康面でどんな効果がある? ゴディバのコレクションを実際に食べてみると果たしてどんな味? そして、贈る相手やシチュエーションに合ったゴディバのおすすめコレクションは?
今回の記事ではそうした疑問に答えるべく、ゴディバ公式サイトや文献などから得た情報をまとめ、タイプの異なる3つのコレクションを購入して実食し、プレゼント用のコレクションを相手別やシチュエーション別に提案している。時間が許すなら冒頭から順に読み進んでいただきたいが、まずゴディバのチョコレートの外見や中身(断面)を見たい、各種の粒の味について知りたいという方は以下の目次の「3セット28種の実食レポート」を、あるいは取り急ぎどんな商品を贈ったらよいのかを検討したいという方は「相手別・シチュエーション別のプレゼントガイド」を、それぞれクリックしてジャンプした先から読んでいただいてももちろん構わない。
目次
1 チョコレートの歴史とうんちく
1.1 チョコレートの歴史
チョコレートの原料となるカカオは、紀元前2000年頃には古代メキシコで栽培が始まった。当時のメキシコの人々にとって、カカオ豆を神から授かった食べ物、つまり「神の恵み」。具体的には、すりつぶしたカカオ豆にトウガラシなどを混ぜ、水を加えて飲み物やスープにしていた(ちなみにカカオは18世紀に「Theobroma cacao」という学名を与えられたが、Theobromaはギリシャ語で「神の食べ物」を意味する)。
大航海時代の16世紀、新大陸を“発見”したスペイン人がアステカ帝国でカカオに出会い、これを母国に持ち帰る。カカオで作った飲み物は「ショコラトル」と呼ばれていて、これがチョコレートの語源になった。メキシコの伝統的なレシピはスペイン人の口に合わず、トウガラシを砂糖に変え、甘い飲み物としてスペインからヨーロッパへと広まっていく。
17世紀の英国で、すりつぶしたカカオ豆に砂糖とカカオバターを混ぜてペースト状にし、これを型に入れて固める「食べるチョコレート」が発明される。固形のチョコレートは液状に比べて持ち運びやすく、また保存性の点でも優れていた。これ以降、固形タイプがチョコレートの主流となっていく。
1.2 ベルギーチョコレートが有名になった理由
こうしてヨーロッパ各国に普及したチョコレートだが、なぜベルギー産のチョコレートは高級品として人気を博することになったのか。
主な理由は2つ。まず、中に詰め物をした「プラリネ」が20世紀初めにベルギーで開発されたこと。高度で繊細な技術を要する中身入りチョコレートが売り出され、ベルギーは「チョコレート先進国」として一躍世界に名をとどろかせることになる。今でこそ、たとえばトリュフのように、外が比較的固め、中がトロリととろける2段階の食感を楽しめる中身入りチョコを当たり前のように食べることができるが、ベルギー人の発明がなければこの世に存在していなかったかもしれない。
もう一つの理由は、その品質。19世紀以降チョコレートが工場で量産されるようになってから、各国で比較的高価なカカオバターの代わりに植物などの油脂が用いられ、味で劣る安物も出回るようになった。チョコレート産業のイメージダウンを懸念するベルギーなど数カ国は「原料の油脂はカカオバター100%」を主張し、代替油脂を容認する他の欧州諸国と1970年代から四半世紀にわたって論争。結局1997年の欧州議会で「5%まで代替植物油脂を使用してよい」と決められたが、ベルギーは現在までカカオバター100%を守り、それが高品質なチョコレートの証になっているのだ。
1.3 チョコレートの健康効果
嗜好品としてだけでなく、健康食品としても知られるチョコレート。とりわけ有名なのは、抗酸化物質の代表格、ポリフェノールを多く含むことだろう。赤ワインや緑茶の苦味や色素の成分でもあるポリフェノールには、がんや動脈硬化などの原因となる活性酸素の働きを抑え、血中の悪玉コレステロールや酸化を防ぐ効果がある。ポリフェノールはまた、美容やアンチエイジングの効果も認められている。
茶の渋み成分として知られるカテキンの一種、エピカテキンがカカオにも含まれている。エピカテキンにはポリフェノールと同じく抗酸化作用、抗がん作用があるほか、血糖上昇抑制や抗菌の作用もあり、さらに近年の研究では代謝を高め肥満を抑制する効果も示唆されている。ただし、砂糖を多く含む甘いチョコレートを食べ過ぎたら逆効果なのは言うまでもない。
チョコレートやココアはまた、比較的大量のテオブロミンと少量のカフェインを含む。これらの成分には覚醒効果と血管拡張効果があり、集中力や記憶力のアップに役立つとされる。
そのほか、カカオはカルシウム・鉄・マグネシウム・亜鉛などのミネラルや、食物繊維も含む。バランスのよい美容食としても実に優秀なのだ。
2 なぜゴディバを贈るのか
ここからは、ゴディバが高級チョコレートブランドとしての地位と人気をどのように獲得したのかを、その歴史と品質へのこだわりから見ていこう。
2.1 ゴディバの歴史
1926年、ベルギーの首都ブリュッセルでチョコレート職人だったピエール・ドラップス氏が独立し、自宅の地下室で「ショコラトリー・ドラップス」を開業。ドラップス氏が美味しいチョコレートを作るのに想像力を費やす一方、夫人はチョコレートをエレガントなゴールドの箱に詰め、ギフトとして販売することを思いつく。チョコはばら売りが主流だった当時としては画期的なことで、ゴディバの箱入りギフトは大評判を呼んだ。ジョセフ、ピエール、フランソワ、イヴォンヌという4人の子供たちも手伝い、両親の死後も家業を守り続けた。
1945年、ジョセフとその妻ガブリエルの提案により社名を「ゴディバ」に改めた。この名前は、11世紀の英国の伯爵夫人レディ・ゴディバ(英語では「Godiva」をゴダイヴァと発音)に由来する。
その昔、コベントリーの領主レオフリック伯爵は、公共の建物を増やすため重税を課して領民を苦しめていた。心を痛めた妻のレディ・ゴディバが税を引き下げるよう願い出たところ、伯爵は諦めさせるつもりで「もしおまえが裸で馬に乗って町中を回れたなら、そのときは要求をかなえよう」と言い放つ。果たして、夫人は翌朝その無理難題を敢行し、ついに税は引き下げられたという。
ジョセフとガブリエルの夫婦は、語り継がれたレディ・ゴディバの勇気と深い愛に感銘を受けた。そしてもう一つ。Godivaという名前は、古期英語で「神の恵み(God’s gift)」や「良き食べ物(good food)」を意味する言葉をラテン語風にしたものだという。発祥の地メキシコで「神の恵み」と尊ばれ、「神の食べ物」の学名が与えられたカカオ。そのカカオから作る至高のチョコレートブランドに、まさにうってつけのネーミングではないか。馬にまたがる裸婦をモチーフにしたゴディバのシンボルマークは、そんなレディ・ゴディバの伝説と深い愛を表しているのだ。
さて、1958年に初の国外店をパリにオープンして以降、ゴディバは世界各国で店舗を展開。屈指のプレミアムチョコレートブランドへと成長したゴディバは、2016年の時点で世界80カ国以上、670以上の店舗を構えるまでになっている。
2.2 ゴディバジャパンの躍進
日本では1972年、高級チョコレートの先駆けとして、東京日本橋三越に第1号店をオープン。1994年には日本法人のゴディバジャパンを設立し、本格的な展開をスタートさせた。現在では250以上の店舗を構えるまでに至る。世界で670店に対して日本が250店ということは、全店舗のうち4割弱を日本に出店している計算だ。では、ゴディバはなぜこれほど日本で好調なのだろうか?
キーパーソンはズバリ、2010年にゴディバジャパンの代表取締役社長に就任したジェローム・シュシャン氏。1936年フランス生まれの同氏は、大学在学中に日本をヒッチハイク旅行したのを機に日本文化に興味を持ち、29歳で弓道を始めている。フランス国立造幣局日本支社、ラコステ北アジアディレクター(東京)、LVMHグループ・ヘネシーのディレクター(仏)を経て、2005年に磁器人形メーカーのリヤドロジャパン代表取締役社長(東京)に。ここで前例のない「リヤドロの雛人形」「五月人形の若武者」を大ヒットさせた功績が認められ、ゴディバから声がかかる。
シュシャン氏は著書『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』(高橋書店刊)のタイトルで示すように、社長に就任した2010年の12月期売上高133億円から、15年12月期の282億円へと倍増させた。弓道錬士五段を授けられた同氏は、「的(ターゲット)を狙うのではなく、的と一体になる」という弓道の精神をビジネスに取り入れ、顧客の視点で商品開発やマーケティングを行うことでヒットを生んできたと語る。
たとえば、社長就任から間もない頃、ブランドの魅力を向上させるため、重厚なイメージの店舗デザインを明るいものに変える、若い人たちでも気軽に買えるような低価格帯のラッピングチョコレートやかわいいパッケージの商品を拡充する、商品の美味しさと高い品質をアピールするテレビコマーシャルを打つ、といった戦略で既存店の売り上げを回復。ほかにも、記念品を意味する「キープセイク」(コンパクトなケースにチョコレートを詰め合わせた商品)の箱をコレクションしているファンの声をヒントに、“自分へのごほうび”としてのバレンタインを「MY GODIVA」と名付けて美しいキープセイクを売り出したり、日本限定で開発・発売したゴディバのソフトクリームがアジアやアメリカなどグローバルなアイテムとして認められたり。シュシャン氏が率いるゴディバジャパンはしっかりと日本人の心をとらえ、各国の法人のなかでも屈指の好業績を実現してきたのだ。
2.3 ゴディバの高い品質
高級チョコレートブランドとして認知されるゴディバの魅力の根幹は、言うまでもなくその高い品質だ。
まず、原料のカカオ豆。南北緯20度以内のアフリカや中南米、近年は生産量が伸びているマレーシア、インドネシアなども含め、それぞれの産地から最上級のカカオ豆のみを厳選している。
次に、レシピ。現在もブリュッセルにあるゴディバの工場では、ジョセフ・ドラップスが創り出したレシピを守り、厳選された素材と最高の技術で伝統の味を守り続けている。その一方、多くの熟練した職人が、新しいレシピやデザインのチョコレートを次々に開発している。
そして、芸術性の高いデザインを生む高度な技術。ゴディバは多様な大きさや形のチョコレートを作るため、「エンロービング」と「シェルモールディング」という2種類の方法を使う。エンロービングとは、キャラメルなどを溶かしたチョコレートで包み込むこと。シェルモールディングでは、芸術的にデザインされた型のくぼみに溶かしたチョコレートを流し込み、さかさまにして余分なチョコレートを取り除いてから冷やす。すると、残ったチョコレートが固まり「シェル(殻)」ができる。そのシェルにフィリングを入れ、最後にチョコレートを薄く流し込み、再び冷やした後、型から外すという工程だ。
ゴディバ独特の芸術性の高いチョコレートは、ゴールドのバロタン(チョコ専用の箱)やシーズンごとに変わる美しいパッケージに詰め込まれ、世界中のグルメに愛されてきた。よく言われるように、ゴディバはベルギー王室御用達。ベルギー王室のサイトが公表している納入業者リストの最新版(2018年11月)にも、しっかりと「GODIVA」の名が刻まれている。
3 3セット28種(2セット21種)の実食レポート
本稿執筆にあたり、以下の2セットを購入し、28種の粒を実際に味わってみた。
3.1 ゴールド コレクション 12粒 税込 ¥3,240(本体価格 ¥3,000)
ゴディバと言えばゴールドバロタン。金色に美しく輝くスタイリッシュなパッケージは、まさに高級品の風格だ。
トルビヨン プラリネ
外側は甘めのミルクチョコレート。中のへーゼルナッツプラリネの食感が滑らか。ヨーロッパでチョコレートとの組み合わせで好まれるナッツ類はへーゼルナッツが主で、ゴディバも伝統的にへーゼルナッツを使用する粒が多い。
ヴォルプテ レ
外側はしっかりとした固さのミルクチョコレート。中身のガナッシュ(チョコレートとクリームや牛乳を混ぜ合わせたもの)も優しいミルクの風味で、柔らかく溶ける感覚が心地よい。
クール
かわいらしいハートの形が特徴。外側のミルクチョコレートとヘーゼルナッツプラリネの組み合わせは、トルビヨンプラリネと近い傾向。シルクのように繊細なナッツの舌触りが楽しい。
クール ブラン
ブラン(フランス語で『白』)の名のとおり外側はホワイトチョコレートで、中はヘーゼルナッツプラリネ。ホワイトチョコは甘さ控えめだが、しっかりとした存在感がある。
キャラメル ショコラ
中身はチョコレート風味のキャラメルで、特有の粘りがあるが口当たりはとろりと滑らか。外側のダークチョコレートとトッピングのチョコレートピースは甘さを抑え、キャラメルの甘さを引き立てている。
ルーン パッションフルーツ
ホワイトチョコレートガナッシュに練り込まれたパッションフルーツの爽やかな酸味と甘さが、外側のダークチョコレートの苦さとよく合う。
レディ ノア
ゴディバのトレードマークをかたどったダークチョコレートのシェル。中のホワイトチョコレートガナッシュは優しいバニラ風味で、レディ・ゴディバの気品と愛を表現するかのよう。
ヴォルプテ ノア 72
Gの文字をあしらったダークチョコレートの外側に、72%ダークチョコレートのガナッシュ。苦味だけでなく、しっかりした甘さも口に広がる。
エクラ フィユティーヌ
トッピングの細かく砕いたヘーゼルナッツと、ヘーゼルナッツプラリネに混ぜ込まれたフィユティーヌ(薄焼きのクレープ生地)の粒が、サクサクの軽やかな食感を演出。外側のミルクチョコレートはやや甘め。
カレ ミルク(左)
フランス語で「四角い」を意味するカレは、シンプルな四角い板状のデザイン。ミルクチョコレートのコクと風味が豊かに広がる。
カレ 50% ダーク(中)
カカオ分が50%のダークチョコレートは、ほどほどの苦さといったところ。
カレ 72% ダーク(右)
カカオ分が72%にアップしたダークチョコレートは、プレーンだからこそ良質のカカオの苦みをじっくり味わえる。
3.2 キューブ トリュフ アソートメント 9粒 税込 ¥3,996(本体価格 ¥3,700)
2018年に発売された新しいキューブ型トリュフの粒を取りそろえた詰め合わせ。カラフルで個性的な粒たちを見ているだけでも心が躍る。いずれも中身は2層になっていて、味や柔らかさの異なるフィリングが奏でるハーモニーを楽しめる。
ピエモンテ ノワゼット
口どけのよいムースとプラリネに使われているイタリア・ピエモンテ産のヘーゼルナッツは、一段と風味豊か。外側のミルクチョコレートに振りかけられたココアパウダーも、リッチな味わいを演出。
ムース ラ バニーユ
フィリングはホワイトチョコレートバニラムースとダークチョコレートバニラガナッシュで、バニラの香りが格別。外側のダークチョコレートと表面を飾るチョコレートフレーク、幾重もの異なる食感も喜びをもたらす。
キャラメル サレ
塩味が主張するソルティーキャラメルと、ソフトキャラメルを組み合わせたフィリングは、豊かなキャラメルのコクが口に広がる。シェルのダークチョコレートと飾りのミルクチョコレートチップ、この繊細な層も表情豊かな脇役だ。
フランボワーズ
フィリングのコンフィチュール(果実から砂糖で浸出させた果汁を煮詰めた液に、果肉を漬けこんだもの)とムース、そして飾りのフレークにラズベリーをフィーチャー。チョコレートに組み合わせるフルーツとして、イチゴよりラズベリーが選ばれることが多いのもヨーロッパの傾向。個性の強いラズベリーの酸味が、ダークチョコレートの苦味で一層際立つ。
抹茶
さすがゴディバジャパン、抹茶をぜいたくに使用した日本ならではのトリュフだ。飾りのパウダーから、フィリングのムースとガナッシュまで、上品な苦さの抹茶がシェルのミルクチョコレートと奥深い和音を奏でるよう。ふわりと溶けるムースは、抹茶アイスのような、抹茶ラテのような。
カシス
パウダーシュガーとザラメ糖の清楚な装いの下に、鮮烈な酸味のカシスジャムとカシスムースが隠れている。ザラメのカリカリとした食感を楽しんだあと、ミルクチョコレートにくるまれたフレッシュなカシスの香りと刺激が口いっぱいに広がる。
ショコラ レ
ミルクとチョコレートという王道の組み合わせを、ムースとガナッシュ、少し固いシェルと飾りのフレーク、さまざまなテクスチャーで堪能できる。定番のミルクチョコレート、しかしこんなにも奥深いものかと驚かされる。
マルコナ アマンド
“アーモンドの女王”と称されるスペインのマルコナ種アーモンドを、原料に含まれるアーモンドの92%に使用。ダークチョコレートのシェルの中、ムースとプラリネの2層でアーモンドの気品高い味と香りがゴージャスに咲き誇る。
72% ショコラ ノア
カカオ72%のダークチョコレートガナッシュは、カカオ本来の美味な苦さを楽しめる。それにふんわりとろけるムースが重なり、シェルも濃厚なダークチョコレート。渋く、奥深い味わいは詰め合わせの締めくくりにふさわしい。
クリスマス アソートメント 9粒(※現在は販売終了)
クリスマスリースをあしらったパッケージ(写真・上)の中身は、クリスマス限定のチョコレートとカレ、それに定番チョコレートの詰め合わせ。全体的に甘めの傾向で、ファミリーや若い世代に特に喜ばれそう。
限定 ショコラ ノア バニーユ ポア
フィリングのバニラガナッシュは上品な洋ナシの香りが豊か。シェルのダークチョコレートが苦味でアクセントを添える。
限定 ノエル レ
サンタクロースのデザインが愛らしい。ベルトのバックルに「G」の文字が入る細やかな仕事ぶりも、さすがゴディバ。シェルと中身のガナッシュはともにミルクチョコレートで、甘めのガナッシュが口の中で優しく溶ける。
限定 ノエル ブラン
こちらはキュートなスノーマンのデザイン。ちなみに「ノエル」はフランス語でクリスマスを意味する。シェルはコクのあるホワイトチョコレートで、フィリングのヘーゼルナッツプラリネが滑らか。
限定 カレ ミルクブラジリエンヌ(2枚)
甘いミルクチョコレートの中に混じる、香ばしいヘーゼルナッツの細かな粒がサクサクの食感で楽しい。
限定 カレ ダークタンザニア(1枚)
タンザニア産のカカオを使用したダークチョコレート。香り高く、洗練された苦味の奥に甘みがじわり。
ペルレ アモンド
ミルクチョコレートの中には、ローストしたアーモンドのクリーム。ゴディバのチョコに使われるナッツとしては少数派のアーモンドだが、豊かな香りと味わいがしっかり個性を主張する。
クール
かわいらしいハートの形が特徴。外側のミルクチョコレートとヘーゼルナッツプラリネの組み合わせは、トルビヨンプラリネと近い傾向。シルクのように繊細なナッツの舌触りが楽しい(前述のゴールド コレクションにも同梱)。
キャラメル フランボワーズ
フィリングのキャラメルは軽やかなラズベリーの酸味と柔らかく滑らかな舌触り。シェルのダークチョコレートとトッピングのドライラズベリーピースも名脇役。
こちらは2018年のコレクションだったため残念ながら現在は手に入れることができないが、クリスマスは毎年やってくる。次のシーズンもぜひとも期待したい。
4 相手別・シチュエーション別のプレゼントガイド
ここまで書き連ねてきたチョコレートにまつわる歴史とうんちく、ゴディバを贈るべき理由、そして実食レポートを踏まえて、こんな相手へプレゼントするのにふさわしいゴディバはどれか、ケース別にお勧めしていこう。
4.1 家族編
4.1.1 お父さんに
甘党のお父さんに、誕生日や退職時など節目のお祝いに、あるいは実の娘や義理の娘からバレンタインデーに感謝を込めて、ゴディバを贈ればきっと喜ばれる。お父さんの想定年齢層はミドルからシニア。
♦レジェンデールトリュフ 12粒 税込 ¥5,400
イチオシの商品はレジェンデールトリュフ12粒(税込¥5,400)。これを推す最大の理由は、各粒のシェルにダークチョコレートを使うなど、全体的に甘さ控えめであること。カカオ本来の苦味を好む中高年男性は多いし、ブランデーやウィスキーのような辛口の蒸留酒からシャンパンやワインなど甘めの醸造酒まで、幅広いお酒のツマミとしてもよく合う。
もう一つの大きな理由は、レジェンデール(伝統)の名を冠したとおり、1946年に創業一家のドラップスによって開発された最初のトリュフから、ベルギーの王族のお祝いとして開発された由緒あるトリュフ、そして近年の新作トリュフまで、ゴディバの歴史を伝える構成になっていること。世のお父さんはたいていうんちくが大好き(若干偏見が入っているかもしれないが)。ボックスに添えられたシートの説明書きを読みながらトリュフをしみじみと味わい、傑作トリュフが生み出された時代に想いを馳せる……まさに至福のひとときではないか。
6種類が2粒ずつという詰め合わせ内容も、夫婦で1粒ずつ、あるいは独居のお父さんでも数日かけて、じっくり楽しむのにほどよい量だろう。家族構成の違いにより、6粒入り、9粒入り、16粒入りのセットから選ぶのもいい。
♦グランプラス59粒(税込¥14,580)
二世帯、三世帯同居の大家族で、予算的にも余裕があるなら、ゴディバのパッケージで最高峰のグランプラス59粒(税込¥14,580)をお勧めしたい。2段重ねのボックスで、上段には個性豊かなチョコレートとトリュフが24粒、下段にはシンプルで毎日食べても飽きないカレが3種・35枚収まっている。ゴールドの包装紙を開けて豪華に並ぶゴディバのチョコに対面するとき、お父さんはもちろん家族全員のお祝い気分も大いに盛り上がること請け合いだ。
4.1.2 お母さんに
お母さんに贈るシチュエーションもお父さんと同様に、誕生日や母の日などの節目が考えられる。日頃さまざまなシーンで頑張っているお母さんに、感謝とお疲れさまの気持ちを込めてプレゼントするのも当然ありだ。
♦ゴールド ディスカバリーコレクション15粒(税込¥6,048)
ファーストチョイスは、バラエティーに富んだ味わい、かわいらしいデザイン、華やかな色使いと3拍子揃ったゴールド ディスカバリー コレクション15粒(税込¥6,048円)。グルメなお母さんならゴディバの定番チョコを食べたことがあってもおかしくないが、ディスカバリーのセットは伝統のレシピをベースにアレンジを加えた粒や、かつてない材料を巧みに加えた斬新な粒をそろえているので、見た目の美しさだけでなく味の点でも驚きとともに喜んでもらえる可能性大だ。
プレステージ ビスキュイコレクション46枚(税込¥6,048)
同居家族の多いお母さんに贈る場合は、ピンク地にゴールドの装飾が上品なプレステージ ビスキュイコレクション46枚(税込¥6,048)をセレクトするのもいい。2度焼きでサクサクの食感が楽しいビスキュイにまろやかなチョコの組み合わせは、チョコレートの粒とはまた違った軽やかさと味のハーモニーがあり、バラエティーに富むティータイムを演出してくれる。
4.1.3 娘さんに
まず年齢に関係なく誕生日やクリスマスのプレゼントがあり、娘さんが子供ならや入学・卒業のお祝い、成人したら就職、婚約・結婚・出産と、親から贈り物をする機会は多々ある。
♦ゴールド コレクション8粒(税込¥2,376)
ゴールド コレクション8粒(税込¥2,376)なら、値段もボリュームも比較的手頃で身内への気の張らないプレゼントにぴったり。美しいゴールドの箱は、食べ終わった後もちょっとした小物入れに転用できるので女性向き。娘さんに配偶者や子供がいる、あるいは大のチョコレートファンといったケースなら、20粒入り(税込¥5,400)や35粒入り(税込¥10,800)を気前よく贈るのもいい。
♦アイスギフトセット アソートメント11個(税込¥8,208)
アイスクリームが大好きな娘さん(&家族)の場合は、アイスギフトセット アソートメント11個(税込¥8,208)という選択肢もある。定番のカップアイス6種、食後のデザートとして映えるタルトグラッセ4種、アイスクリームトリュフ6粒が入った詰め合わせ。個数を調整し、ゴールド コレクションなどのチョコレートと合わせて贈るのもありだ。
4.1.4 息子さんに
女の子に比べると、男の子に親からスイーツをプレゼントする機会は相対的に少ないだろう。それでも、母の日やバレンタインデーなどにチョコレートを贈ってくれる心優しい息子には、母親として気の利いたプレゼントで返礼したいところだ。
♦クッキー&チョコレートアソートメント4枚+7粒(税込¥2,160)
クッキー&チョコレートアソートメント4枚+7粒(税込¥2,160)は、いろんなタイプのスイーツをちょっとずつ食べたい男子にぴったり。クッキーとゴールド コレクションに含まれるチョコレートの多彩な組み合わせが、一箱にバランスよくまとまっている。
♦コーヒーチョコレートトリュフ(税込¥756)
息子さんがコーヒー好きなら、コーヒーチョコレートトリュフ(税込¥756)を合わせて贈るのもアイデアだ。アラビカ種のコーヒー豆に、トリュフをイメージした香料を使用したフレーバーコーヒーは、普段とは一味違う上質のコーヒータイムをもたらしてくれるだろう。
※夫婦が互いに相手へ贈るケースは便宜上、次の「大切な人/パートナー編」に含めるということでご了承願いたい。
4.2 大切な人/パートナー編
4.2.1 本命(またはパートナー)の男性に
日本で男性にチョコレートを贈る一大イベントと言えば、それはもちろんバレンタインデー。ただし、ゴディバが2018年2月、日本経済新聞朝刊に「日本は、義理チョコをやめよう」というメッセージを添えた全面広告を出したのをご存じだろうか。慣習的に義理や義務で仕方なくプレゼントするのではなくて、大切に思う人へ心を込めてチョコレートを贈ってほしい、というのがゴディバの願いだったはずだ(シュシャン社長も著書の中で、お中元やお歳暮、ホワイトデーの返礼に関して『自主的な贈り物は楽しいものですが、義務になると途端に楽しくなくなります』と書いている)。
この広告のメッセージは他のメディアにも取り上げられ、海外でも報じられるほど大きな話題になった。だから考えようによっては、「ゴディバを贈る=義理じゃなくて本気!」というのをアピールできることになる(贈る相手がこの時事ネタを知らなければ効果薄かもしれないが……)。
♦ゴールド コレクション 12粒 税込 ¥3,240(本体価格¥3,000)
初めてチョコレートを贈る男性に本気度を示したいなら、実食レポートでも取り上げたゴールド コレクション12粒(税込¥3,240)が、相応のボリューム感がある定番セットという点でぴったり。クールとクールブラン、2つのハート型が入っているところも相思相愛の前触れのようで縁起がいい。
♦レジェンデールトリュフ9粒(税込¥4,212)
一定年齢以上の彼氏や、お世話になっている上司や恩師に贈るシチュエーションなら、お父さんのケースと同様の理由で、レジェンデールトリュフ9粒(税込¥4,212)を推したい。ハート型が入っていない代わりに、トリュフフレーズエレガンテのストロベリーパウダーのピンク色がさりげなく好意や感謝を伝えてくれそうだ。
4.2.2 本命(またはパートナー)の女性に
ゴディバジャパンはホワイトデーに関しても、自分から自主的に贈り物をする新しい季節のイベントにすべく、2015年からキャンペーンを展開してきた。「この考え方はまだ浸透していない」とシュシャン社長自身も認めているが、若い男性たちには支持が広がっているとのこと。ホワイトデーに限らず、大切に思う女性にゴディバで気持ちを伝えることができたら素敵ではないか。
♦キューブ トリュフ アソートメント9粒(税込¥3,996)
キューブ トリュフ アソートメント9粒(税込¥3,996)も、実食レポートで取り上げたとおり太鼓判を押せる逸品。9粒すべてが違う味で、しかも2018年8月に発売されたばかりの新しいトリュフたち。箱の表面デザインも宝石を並べたようで美しい。自分への気持ちをつかめていない微妙な関係の女性に贈る場合でも、あからさまなハート型のチョコが入ってない点が奥ゆかしくていい。
4.3 そのほか
4.3.1 友達/仲間編
♦G キューブ アソートMDH(税込¥1,404)
♦G キューブ アソートMVC(税込 ¥1,404)
友達同士で持ち寄りのホームパーティーをしたり、仕事仲間とオフィスでささやかな打ち上げをしたりするようなシチュエーションで重宝するのは、G キューブ アソートMDH(ミルク、ダーク、ミルクヘーゼルナッツ)9粒と、GキューブアソートMVC(ミルク、ダークバニラ、ミルクソルテッドキャラメル)9粒(どちらも税込¥1,404)。個包装なので各人に皿を出したり取り分けたりしなくていいし、手にチョコレートが付くこともまずない。二つのセットの傾向としては、MDHがダークチョコとナッツがあるので、お酒のつまみにする男子の多い集まり向き。MVCはバニラとキャラメルを含むので、どちらかと言えば女子の多い集まり向きか。大人数ならもちろん両方買うのもよし。
♦アイスギフトセット カップアイス9個(税込¥5,400)
ホームパーティーの最後に冷たいデザートが出てくると嬉しいもの。ハーゲンダッツやレディーボーデンなら新味はないが、ゴディバのアイスならきっと一目置かれるはず。アイスギフトセット カップアイス9個(税込¥5,400)は、新商品2種(2018年12月時点)を含む8種・9カップを味わえるぜいたくな詰め合わせ。これだけ種類が多いと、どれを選ぶか決めきれずに悩んでしまいそうだ。
4.3.2 自分へのごほうび編
頑張って働いて稼いだ、あるいは何か目標に掲げていたことを達成した。そんな自分をねぎらうために、普段よりちょっとぜいたくなゴディバでひとときの幸福を満喫し、明日の活力を充電する。素敵なイベントではないか。味の好みも懐具合も自分が一番よく知っているのだから、ここまでのお勧めを参考にしながらゴディバのサイトで最適なプレゼントを選んでいただきたい。
♦フェアリーケーク キープセイク 4粒 (税込 ¥3,780)
ゴディバが日本のバレンタインデーに合わせて、自分へのごほうびを想定してキープセイクと呼ぶ特別なパッケージの商品を出していることは序盤で書いたが、クリスマスなどほかのシーズンにも期間限定でキープセイクを販売している。ゴディバのパッケージは通常のものでもデザインが洗練されていて、食べ終えた後は小物入れに転用できるが、キープセイクのパッケージの美しさはまた格別だ。バレンタインデー、ホワイトデー、クリスマスといった主要なギフトシーズンに大切な記念の品を末永く手元に残したいなら、ぜひ期間限定のキープセイクをチェックしていただきたい。
5 まとめ
誰からも愛されるイメージのチョコレートだが、そう多くないとはいえチョコレート(カカオ)に対してアレルギー体質の人もいる。自分の体質を把握している大人ならまず問題ないが、子供にプレゼントしたり食べさせたりする場合は、アレルギー食材の有無を調べることを忘れずに。ゴディバのサイトではすべての商品について、原材料を明記している。
自分の目で商品を見て選びたいという人も当然いるだろう。サイトの店舗検索のページで、現在地に近い店舗を地図上で探したり、郵便番号や住所を入力して検索したりできる。
各セットの内容から個々の粒の説明まで、サイトの情報は非常に充実しているが、さらに詳しく知りたい、商品選びの相談に乗ってほしいという人のために、ゴディバのカスタマーサービスはフリーダイヤルを用意している(0120-11-6811、受付時間は10:00~18:00。会社概要より)。
1世紀近い伝統を誇るベルギー発祥の高級チョコレートブランドでありながら、日本人の嗜好に合わせた商品開発も積極的に行うゴディバのコレクションから、ぜひあなたの大切な人にぴったりのアイテムを選んでいただきたい。プレゼントのチョコレートを通じて相手を大事に思う気持ちが伝わるなら、その分だけ世の中の幸せな気分が増すはずだ。「神の恵み」を表すゴディバのチョコレートには、きっとそんな力があるのだろう。
【参考文献】
・『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』ジェローム・シュシャン著、高橋書店刊
・『チョコレートの歴史物語』サラ・モス、アレクサンダー・バデノック著、堤理華訳、原書房刊
・『チョコレートの科学 -苦くて甘い「神の恵み」-』蜂屋巌著、講談社刊
・『カフェインの科学 -コーヒー、茶、チョコレートの薬理作用-』栗原久著、学会出版センター刊